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タワーマンションの固定資産税が変わります

2018.07.13

今回はタワーマンション(居住用超高層建築物、建築物の高さが60mを超えるもの)において、階層によって固定資産税の税額が変わるお話しをします。

まず、区分所有マンションの固定資産税の計算方法を確認していきます。

①マンション1棟の固定資産税を算出
マンション1棟にかかる固定資産税を計算します。
固定資産税は土地、建物それぞれに課税され、それぞれの固定資産税評価額に税率(標準税率1.4%、市町村により異なります)を乗じた額になります。

②各部屋の床面積に応じて按分する
マンション1棟全体にかかる固定資産税が決定したら、各部屋の床面積に応じて按分し、
部屋ごとの固定資産税を算出します。

例えば、固定資産税が100万円のマンションをA、B、Cの3人が専有面積1:1:3の割合で所有しているとします。この場合固定資産税額はA:20万円、B:20万円、C:60万円となります。

2017年度までは単純に専有面積の割合で計算されてきました。タワーマンションは一般的に階層が上に行くほど眺望や日当たり等の理由から需要が高まり、低階層の部屋に比べて取引価格が高くなります。しかし従来の税制度では階層ごとの取引価格の差異が考慮されず、結果として高層階の所有者ほど固定資産税の税額が相対的に低くなるという課題がありました。

今回の税制改正によって、このような課題が解消され固定資産税が調整されることになりました。適用は2018年度から新たに課税されることとなるタワーマンションが対象です。

では、どのように調整されたのか確認していきます。

①改正後の固定資産税額決定方法
部屋の階層の差異によって固定資産税額が変動することになります。
具体的には「階層別専有床面積補正率」を設定し、マンション全体にかかる固定資産税額を按分する際の床面積を階層に応じて補正することで固定資産税額が調整されます。

②階層別専有床面積補正率
階層別専有床面積補正率は、「最近の取引価格の動向を踏まえ、1階を100とし、階が1増すごとに10/39(10を39で除、約0.25641)を加えた数値」とされています。

階層別専有床面積補正率(%)=(階層-1)×10/39+100

上記の補正率を用いると40階80㎡の部屋の場合、固定資産税を計算するにあたっては、
床面積=80㎡×{(40-1)×10/39+100}=88㎡とみなれます。
今回の改正では、タワーマンション全体にかかる固定資産税そのものは現行と変わらない為、高層階の所有者は税負担が増え、低層階の所有者は税負担が減ることになります。

不動産投資をするにあたって、税金の支出は見逃せません。固定資産税や都市計画税は毎年かかってくるものなので、1年で数十万円の支出だとしても積み重なれば大きな支出となります。
今回に限らず税制改正の内容をしっかりと把握しておくことも、不動産投資において必要であると私は思います。

以上、長くなりましたが、今後の不動産投資の参考になりましたら幸いです。