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インスペクションについて

2018.08.02

今回は、宅地建物取引業法改正により、平成30年4月1日から説明が義務化されたインスペクションについてお話します。

まず、インスペクションとは…建物状況調査のこと。
建物の基礎、外壁等に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化事象・不具合事象の状況を目視、計測等により調査するものです。
中古住宅を取引する際、「建物の瑕疵、不具合がもし購入後に発覚したら」と思うと、不安になってしまいますよね。
そこで、消費者が安心して中古住宅の取引を行える市場環境を作っていくため、今回の改正がなされました。

具体的な改正の内容は、以下三点になります。

①媒介契約書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載
②建物状況調査結果の概要、建物の建築・維持保全の状況に関する書面の保存状況に関する書類の保存を重要事項として説明
③37条書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載
(国土交通省 改正宅地建物取引業法の施行について より抜粋)
また、建物状況調査を実施する者は、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が行わなければならない。

分かりやすくまとめますと、媒介契約時に、宅地建物取引業者が、インスペクションを行う業者のあっせんの可否を示し、意向に応じてあっせんする。その後、インスペクション結果を買主に説明する。売買契約締結時には、現況を売主・買主が相互に確認し、その内容を宅地建物取引業者から売主・買主に書面で交付する、という流れになります。

メリットとして、インスペクションを知らなかった消費者のサービス利用が促進されることが挙げられます。また、建物の質を踏まえた購入判断や交渉が可能になり、インスペクション結果を活用した既存住宅売買瑕疵保険加入が可能になります。
そして一番重要な点として、建物の瑕疵をめぐった物件引き渡し後のトラブルを防止できる、といった点が挙げられます。

改正によりさまざまなメリットがありますが、忘れてはいけないのが、インスペクションの実施自体が義務化されるわけではないということです。
今後、中古住宅を取引される方の参考にしていただければと思います。