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物件についての説明責任

2018.09.08

皆様、立秋と処暑を越えたにも関わらず、まだまだ暑い日が続いております。

今年は6月から35度を超える猛暑日が続いていたこともあり、弊社従業員もスタミナが切れてきたようで、体調を崩されている者もおります。食事に、睡眠に、適度な運動で残暑を乗り切りましょう!

さて、今回のブログは『 瑕疵(かし) 』についてご説明いたします。不動産に携わる仕事をする者にとっては、良く聞くフレーズで当たり前になっておりますが、私たちの業種以外の方にはあまり馴染みの無い言葉だと思います。

まず、『 瑕疵 』はそもそも法律用語のひとつで、私が大学時代に教授から教わったもので、一般的な職業に就いている人にも伝わる表し方は『 キズ 』でした。また、『 瑕疵 』という単語を調べてみると、「物に対し一般的に備わっていて当然の機能が備わっていないこと。あるべき品質や性能が欠如している事。欠陥と類似する。」と書かれています。

※法律用語としての解釈では、「通常有するべき品質・性能を備えていないこと」を

『 瑕疵 』と表現します。

『 キズ 』という表現に関しては、不動産に関わらず一般的に売られている商品等で耳にしたことがあるかもしれません。たとえば、服飾店ですと店頭近くに陳列されていた商品が長いあいだ陽にあたってしまい色落ちをしてしまったもの、運搬する中で商品が何かに擦れて表面に薄っすら傷がついてしまったものなどが「キズもの」として表示され、正規の価格よりも30%~70%ぐらい安く売られている場合があります。

ここまでの内容で、『 瑕疵 』がキズや欠陥などに類似している言葉で、ぐっと身近な表現であることを感じていただけたかもしれません。では、さらに掘り下げて行きます。

『 瑕疵 』の定義ですが、不動産を売買する際の契約書を御覧になった方は、瑕疵担保という記載を目にされると思います。たとえば、建物の場合は部屋のなかに「雨漏り」があれば『 瑕疵 』があると認められるでしょう。また、土地の場合は購入した土地の下(地中)に埋設物(埋まっている物)がたくさん残っていて、土地を購入する目的として建物を建てる予定だったが建てられないなどの事情があれば、その土地に『 瑕疵 』があると認められるでしょう。

 

あと、不動産では『 心理的瑕疵 』というフレーズも存在します。

皆様も一人暮らしをする際や同棲をする際などに、賃貸物件や売買物件を探されるときに『 心理的瑕疵 』について不動産業者の担当者から説明を受けたことがあるかもしれませんが、本ブログでは『 心理的瑕疵 』あれこれについてご説明します。

 

不動産で一番多く存在するのが、人の死に関わる『 心理的瑕疵 』です。老衰・病気が原因で亡くなった場合、自殺や他殺で亡くなった場合です。対象となるお部屋はもちろんのこと、廊下やエレベーターなど建物の共有部分で亡くなった場合でも『 心理的瑕疵 』となります。

世界的に見ると上記のケースはあまり問題にならないとメディアで取り上げられておりますが、日本では大きな問題になることが多いです。

そのほかには、近くに暴力団関係事務所がある場合や、暴力団関係者・構成員が住まれている場合、嫌悪施設がある場合などが全て対象になります。

※嫌悪施設とは読んで字のごとくですが、嫌悪=憎みきらうこと。強い不快感を持つこと。その施設という意味です。寺・墓・葬儀場・火葬場・神社・宗教関連施設・学校・公園・ゴミ処理場・工場・遊戯施設・原子力発電所等・刑務所・産業廃棄物処理場・下水処理場・ガスタンク・風俗営業店など環境悪化や騒音・悪臭・大気汚染・土壌汚染などを誘発する施設などを指します。

これら全てに共通することは、「事前にその事実を知っていれば、この物件を借りること(購入すること)は無かった!」と言われる可能性のあるものです。

長くなりましたが、『 瑕疵 』については物件の売主・オーナー(または賃貸管理会社)は買主・借主に対して、その詳細を説明しなくてはならないのです。また、買主・借主はその詳細について了承の上で契約を交わした場合は、その契約の無効や取消しは主張できませんので気をつけてください。

※心理的瑕疵については様々な考え方・論点・判決がありますので、買主・借主から売主・貸主側に対して、念押し確認をすることをオススメいたします。

今回のブログはこのへんで終わりとさせていただきますが、不動産売買に関するご質問はもちろんのこと、不動産に関する疑問や相談などございましたら、お気軽に弊社までお電話下さい!